TEL 078-801-4440

【営業時間】10:00~17:00 【定休日】日・月

【え、それ全然違うんだけど?!】海外と日本の靴サイズ、実はこんなに複雑だった!〜元同期カナミンがショーターを斬る!〜

はじめに:靴屋の日常?サイズ表記の「罠」

 

「この靴、海外サイズだと何センチになるんですか?」 「日本のサイズと比べて、どう選べばいいんですか?」

私たち靴業界で働く者にとって、お客様からのこんな質問は日常茶飯事ですよね。特に海外ブランドを取り扱う店舗では、各国のサイズ表記の違いに頭を悩ませることも少なくありません。しかし、その違い、実はあなたが思っている以上に根深いかもしれません。

今回は、私が勤めるショーター整形靴工房に、懐かしい顔がひょっこり現れました。靴業界の専門学校で同期だった、ちょっと…いや、かなり気の強い女性、カナミンです。彼女との再会が、まさか「靴のサイズ表記」という奥深いテーマを掘り下げるきっかけになるとは…!


カナミン:あ、ちょっとそこのショーターじゃん! 久しぶり〜! まさかこんなとこで再会するとはね〜。いやー、学校ん時はもっと地味だったのに、なんか店構えだけはいっちょ前になったじゃん? ふーん、アンタもやるじゃん! ……つーか、よくアンタみたいなのが卒業できたわね。 正直、何かしたんでしょ? お菓子配られてなかったくせに。

ショーター:カナミンさん!まさかこんなところで会うとは!元気にしてたんですか?相変わらず手厳しいですね(苦笑)。わざわざ来てくれたんですか?

カナミン:別にアンタに会いに来たわけじゃないし。たまたま近くに用事があっただけ。でもせっかくだから、ちょっと寄ってみたの。相変わらず真面目にやってんの?サイズのこととか、ちゃんと説明できてんの? 日本のサイズと海外のサイズって、根本的に違うってこと、お客様にちゃんと伝えてるわけ?

ショーター:もちろんです。そこは常に意識して説明しています。日本のサイズと欧米のサイズは、確かに**「根本的に違う」**んです。その「根本的な違い」を理解していないと、お客様に合う靴を正確にご案内するのは難しいですからね。今日はせっかくだから、その違いをカナミンさんにも改めて説明させてもらおうかと。

カナミン:へー。アンタがそんな熱く語るとはね。じゃあ、お手並み拝見ってことで、今日はその「根本的な違い」とやら、とことん教えてもらいましょうかね。そこんとこ、ちゃんと分かってるんでしょ?

 

第1回:日本の「フットサイズ」と海外の「ラストサイズ」の違いって何?

 

ショーター:まず、日本の靴のサイズ表記と、欧米のそれが大きく違う点を押さえておきたいです。

ショーター:日本の靴のサイズは、基本的には**「フットサイズ」、つまり「足の長さ(足長)」**を基準にしているんです。普段「24.5cm」とか「25.0cm」って言ってるのは、その足長のことだね。これは私たち日本人には馴染み深い方法です。

カナミン:ふんふん。それは当たり前じゃん。それがどうしたの?

ショーター:問題は海外のサイズ表記です。欧米の靴サイズ、例えばイギリス、アメリカ、フランスなんかで一般的なのは、**「ラストサイズ」**という考え方に基づいているんです。

カナミンラストサイズ? 靴型(ラスト)のサイズってこと?まさか、あれがそのまま表示されてんの? アタマ悪いんじゃないの? それじゃ全然わかんないじゃん!

ショーター:そう、まさにその「靴型(ラスト)」のサイズを基準にしているんです。ただ、もちろんそのままの寸法が表示されているわけではありません。ラストサイズは、その靴を製作する際に使われる**「木型(ラスト)」の長さ**を元にしています。足の形に合わせて、適切なゆとりを持たせた状態で靴が作られるように設計されているから、単純に足の長さにプラス何センチ、という計算ではないんですよ。

ショーター:だから、日本の「足の長さ」を直接示す「フットサイズ」と、靴型の大きさを間接的に示す「ラストサイズ」では、そもそも考え方が根本的に異なるんです。これが、海外の靴を選ぶ際に混乱しやすい大きな理由の一つなんですよ。

カナミン:へぇ〜、そんなに根本から違うとはね。道理で海外で靴買うとサイズ選びに失敗することあんのよ。でも、それぞれどういう表示になってるか、詳しく教えてくれる? まさかそこまで覚えてないとか言わないよね?

 

第2回:混乱の元凶?!各国のサイズ表記と「起点」の謎

 

ショーター:もちろんです。ここからが本番ですよ。それぞれの国のサイズ表記には、独自のルールがあるんです。


  • イギリスサイズ(UKサイズ)
    • 特徴: インチに基づいた記号(1/2、2、3…)で表示される。
    • 「起点」の謎: 日本と異なり、**踵点(かかとてん/踵の最も突出した点)から4インチ(約101.6mm)のところが「0(起点)」**となるんです。そこから約1/3インチ(約8.5mm)刻みでサイズが進みます。
    • 注意点: サイズのピッチは1/3インチ(約8.5mm)で、1/2サイズも存在します。例えば、「1」の次が「1.5」ではなく「1 1/2」のように表記されることもあります。途中でまた「1」に戻るような表記もありますが、これはキッズサイズと大人用サイズの切り替わりなど、歴史的な経緯によるものが多いんです。
  • アメリカサイズ(USサイズ)
    • 特徴: イギリスサイズと非常に似ていますが、細かな違いがある。
    • 「起点」の違い: イギリスサイズとほぼ同じ起点で始まるのですが、**4インチのところが「0」ではなく「1」**として表示されるんです。そのため、同じ数字でもイギリスサイズよりアメリカサイズの方が約1/2インチ(約12.7mm)小さいことが多いんですよ。
    • ピッチ: 足長のピッチは1/3インチ(約8.5mm)とイギリスと同じ。足囲の間隔は1/16インチ(約1.6mm)と非常に小さいのも特徴です。
  • フランスサイズ(EUサイズ、モンドポイントの基盤)
    • 特徴: 英米とは異なり、メートル法を採用している。表示は1、2、3…の数字。
    • 「起点」: 日本と同じく踵点を起点とするのですが、0ではなく**「1」から始まる**んです。これもラストサイズを基準にしている点では同じですよ。
    • ピッチ: 間隔は3分の2センチ(約6.67mm)。この細かさが、よりフィット感を重視する靴作りに活かされている面もあるんです。

ショーター:どうです、カナミンさん。ここまで聞くと、いかに各国でバラバラか分かるでしょう?

カナミンはぁ?!なにこれ面倒くさっ! なんで統一しないのよ?!もう、やってらんないわよね。これじゃお客様も混乱するわけだわ。アンタもよくこれ全部覚えてるわね、地味なくせにやるじゃん。 で、結局、どのサイズが一番マシなのよ?

 

第3回:国際標準化機構ISOが定める「モンドポイント」とは?

 

ショーター:その「バラバラで不便」という問題を解消するために、国際的な動きもあったんですよ。ジュネーブに本部を置くISO(国際標準化機構)が、**「モンドポイント」**という方式を世界共通のサイズ表示にしようと、1971年頃から協議を重ね、およそ20年後の1991年11月にISO-9407として制定したんです。

カナミン:へぇ〜、そんな動きがあったのね。で、結局それってどうなったわけ?普及してんの?

ショーター:残念ながら、いまだに完全に普及しているとは言えないのが現状です。ただ、このモンドポイント方式は、非常に画期的なんですよ。

  • ラストサイズでなく「フットサイズ」:日本と同じく、足の長さを基準にする。
  • 単位にメートル法を採用:センチやインチの混在を避ける。
  • 足長のピッチは5mm刻み:国際的な基準として分かりやすさを追求。

ショーター:どうです?この特徴、日本とそっくりでしょう?日本と異なる点は、表示がセンチではなくミリであることと、足囲ではなく足幅を表示することの2点ですが、わが国でもこの決定を受けて、1994年3月にJISを改正し、足幅表示も採り入れることになったんですよ。

カナミン:なるほどねー。要するに、日本は結構先取りしてたってこと?ふーん、やっぱ日本ってすごいじゃん。ってか、アンタもそこそこ博識になったわね。見直した。ちょっとだけ。

 

第4回:複雑だからこそ、専門家がいる意味

 

ショーター:ありがとうございます、少しだけですがね。結局のところ、各国のサイズ表記がバラバラで複雑だからこそ、私たちのような靴の専門家がお客様の足に本当に合った靴を選ぶ手助けをする意味があるんです。単に数字を変換するだけでは、本当のフィット感は分からない。足の形、幅、甲の高さ、そして靴のデザインや素材、さらには足の癖まで考慮して、最適な一足をご提案するのが私たちの仕事ですからね。

ショーター:私たちショーター整形靴工房では、お客様一人ひとりの足を丁寧に計測し、各国のサイズ表記の特性も踏まえた上で、お客様に最適な靴をお選びできるよう努めているんです。特にドイツ製のフィンコンフォートのような高品質な靴は、その特性を最大限に活かすためにも、正確なサイズ選びが非常に重要なんです。

カナミン:まあ、アンタが言うなら、そうなのかもしれないね。でもさ、お客さんもそこまで細かく気にしてないんじゃないの?「履ければいっか」くらいに思ってる人も多いでしょ。

ショーター:それが違うんです、カナミンさん。初めて当店にいらっしゃるお客様の多くは、「これまで靴選びで失敗してきた」「長時間歩くと足が痛くなる」といった悩みを抱えているんです。適切なサイズの靴を選ぶことは、足の健康を守り、快適な歩行をサポートする上で不可欠なんです。だからこそ、私たちはこの複雑なサイズ表記の知識を活かし、お客様の足と真剣に向き合っているんですよ。

カナミン:ふーん。アンタも成長したもんだね。でも、そんなに真面目ばっかじゃ、人生損するわよ?ま、いっか。それにしても、あんまり他所じゃ聞けない話だったわ。ありがとう、ショーター。なんか、ちょっとだけアンタのこと、見直したかも。

ショーター:少しは役に立てたようで何よりです。またいつでも寄ってきてください。今度はもっと面白い話を用意しておきますよ。


ショーター整形靴工房

  • 住所: 〒657-0837 兵庫県神戸市灘区原田通1-1-5 リムハウス1階
  • 電話番号: 078-801-4440
  • ウェブサイト: https://finncomfort-kobe.com/
  • LINEでのご相談はこちらから: https://page.line.me/815xnpld?openQrModal=true
  • ※神戸市靴型装具認定店。障がい者手帳をお持ちの方は、オーダーシューズとインソールを補助制度を利用して製作可能です。

地域密着!市バスも走っています。

関連記事

カテゴリ一覧

PAGE TOP