はじめに|靴屋の日常にある「サイズ表記の落とし穴」
「この靴、海外サイズだと何センチになりますか?」
「日本のサイズと、どう違うんですか?」
靴屋をしていると、こうした質問は本当によく受けます。
特に海外ブランドを扱っていると、サイズ表記の違いは避けて通れません。
ただこの違い――
実は 想像以上に“根本から違う” ということは、あまり知られていません。
先日、そんな話題を改めて考えるきっかけになる出来事がありました。
久しぶりの再会から始まった「サイズ」の話
ある日、店にふらっと懐かしい顔が現れました。
靴業界の専門学校時代の同期、カナミンです。
今も彼女は 靴職人として現場に立ち続けており、
私は 経営という立場で靴に関わっています。
立場は違っても、同じ靴業界。
話題は自然と、共通のテーマに移りました。
「今も靴業界で働いてるけどさ、
お客さんにサイズの説明、ちゃんとできてる?」
この一言がきっかけで、
**日本と海外の靴サイズの“決定的な違い”**を改めて整理してみようと思ったのです。
日本サイズと海外サイズは、そもそも基準が違う
まず、ここが一番大切なポイントです。
日本のサイズ表記
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基準は フットサイズ
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つまり 足そのものの長さ(足長)
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「24.5cm」「25.0cm」は、足の実寸を表しています
海外のサイズ表記(欧米)
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基準は ラストサイズ
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靴を作るための 木型(ラスト)の大きさ
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足に必要な ゆとりを含めた設計寸法
👉
足の長さを示す日本と
靴の型を基準にする海外
この時点で、考え方がまったく違うのです。
なぜこんなにややこしい?各国サイズの違い
さらに混乱を招くのが、国ごとのサイズルールの違いです。
イギリスサイズ(UK)
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インチ表記
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かかとから 4インチの位置を起点
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約 8.5mm刻み
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大人用・子供用で表記が切り替わる
アメリカサイズ(US)
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UKと似ているが 起点の数字が異なる
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同じ数字でも、UKより 小さめになることが多い
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足幅表記が非常に細かい
フランスサイズ(EU)
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メートル法
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起点はかかとだが 「1」から始まる
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約 6.67mm刻み
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フィット感重視の設計
つまり、
同じ「25」や「40」でも、意味がまったく違う ということです。
世界共通を目指した「モンドポイント」
この混乱を解消するために、
国際標準化機構(ISO)が定めたのが モンドポイント です。
モンドポイントの特徴
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基準は 足の長さ(フットサイズ)
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単位は ミリ
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5mm刻みで分かりやすい
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足幅も明確に表示
日本のサイズ表記と非常に近く、
実は 日本はかなり先進的だった とも言えます。
ただし、現在も完全には普及していないのが実情です。
だからこそ、靴屋の役割がある
サイズ表記は、
数字を変換すれば終わりではありません。
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足の幅
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甲の高さ
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歩き方の癖
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靴の設計や素材
これらを総合して初めて、
**「本当に合う一足」**が見えてきます。
ショーター整形靴工房が大切にしていること
当店では、
お一人おひとりの足を丁寧に計測し、
各国サイズの特性を踏まえた靴選びを行っています。
特に ドイツ製フィンコンフォートのような靴は、
サイズが合ってこそ、本来の良さが発揮されます。
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今まで靴選びで失敗してきた
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長く歩くと足が痛くなる
そんな方こそ、
ぜひ一度、じっくり足を見せてください。
おわりに
靴のサイズは、
ただの数字ではありません。
少し難しく見える世界ですが、
だからこそ、私たち靴屋がいます。
また面白い靴の話を、
少しずつ書いていきますね。
ショーター整形靴工房
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- 電話番号: 078-801-4440
- ウェブサイト: https://finncomfort-kobe.com/
- LINEでのご相談はこちらから: https://page.line.me/815xnpld?openQrModal=true
- ※神戸市靴型装具認定店。障がい者手帳をお持ちの方は、オーダーシューズとインソールを補助制度を利用して製作可能です。
地域密着!市バスも走っています。









